Hand of muse🎤🎹

ミュージカル活動について♬

ディズニーというアート① クマのプーさん展 (美術①)

 

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展示:クマのプーさん展 

場所Bunkamuraザ・ミュージアム(渋谷)

会期:2/94/14

チケット;一般1500

 

●わたしなりの見どころ●

    プーさんの魅力とは何か。が深まる展示でした。

戦後なぜくまのプーさんという作品がイギリスでヒットしたのか。

その理由がこの展示の解説と『大人になったクリストファーロビン』という実話映画を見ると感じるものがあります。

作者のミルンは戦争に参加した後、PTSD(トラウマ症候群)になり、破裂音を聴いただけで銃声音を思い出してしまい意識がもうろうとしたり、ハエにまみれていた時の悲惨な幻影が見えたりなど、都会生活の中、苦しみます。

そして刺激の多い都会の生活を困難に感じ、家族を連れて田舎に引っ越します。

劇作家としての作品も生み出せることもできないことを悩む中、実の息子のクリストファーと森の中クマの人形たちを使って遊びます。

その空想遊びの中、ミルンは着想を得て、クマのプーさんという作品が生まれました。

なぜミルンは戦後、息子を題材にこの作品を生み出そうかと思ったのか、その理由の一説が美術館で書かれていました。

戦争という悪夢の中、相反する日常に深く根差した普遍的な幸せ、“子ども時代”の空想の思い出が人々の心を癒したのではないかと。

くまのプーさんはミルン自身も癒し、だからこそそれが多くの人にも派生していく作品だったのではないか、そんな子ども時代の愛おしさを想起させる展示会でした。

 

※ミルンの観察眼の解説

クリストファーを観るときに、『クリストファーの観察×創造×ミルンの子ども時代の思い出』を通して作品に作り替えていったそうです。

 

 

    くまのプーさんは二人の天才が生み出した芸術作品であることに気づく。

作品の牧歌的雰囲気はミルンの劇作家としての天才的な文章だけで創られたのではありません。

ミルンの意図を組んで、忠実に挿絵を描いたシェパードの力…この二つの作用がとても大きかったことがわかりました(そもそもこの展示会の目的は原画の展示)

 

展示では原画ならではの本当の描写の細かさがわかります。またその見るべきポイントの解説も展示会場で丁寧に書かれているのでわかりやすかったです。

例えば雨や雪などの風景画も、様々な薄い線、細い線など巧みに組み合わせて見事に空想的な世界を作り出しています。

また、シェパードにとって動作は性格を描く技法。ピグレットの耳をぴーんと伸びているのが緊張を伝え、心配性な性格が仕草で性格が伝わるように描かれています(他の作品で下絵もあり何枚も下絵を書いていく中で巧妙に描いているのだということがわかりました。)

後、余白に情感をこめる使い方です。ミルンも劇演出家らしく、文章の音のリズムを巧みに作り上げるので、それに合わせてシェパードの挿絵もあらゆるユーモアが盛り込まれています。例えばダイエットをするため何日も飢餓状態になるプーにクリストファーロビンが「力をつく本を読んであげるね!」と本を読むシーンがありますが、そのタイトルがこっそり『JAM(ジャム)』と書いてあります。こっそり残酷!!!

さらに一番面白いのは挿絵と文章が融合している印刷ですね。プーさんの本って絵が文字を押しのけているレイアウトや、文字と絵が共存する挿絵など、コミカルな手法が使われていて面白い。(これはディズニーの映画になったときも絵本の文字が風に吹かれて飛んでいく演出になっていたりする)

 

最後にカラー版くまのプーが出た時の挿絵もあったのですが、青の着色で空気のぬくもりまで表現されていて、御年90歳で描かれたとか絶対わからない!!!!!!!!神だ。

原画の魅力は満載です。

 

    いろんなレプリカの撮影ができます。

誰かと行ったほうがいいで


す(一人で行ってぷーな写真をとれなったわたくし)

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潜りたい。