Hand of muse🎤🎹

ミュージカル活動について♬

🎨超写実絵画の襲来 Bunkamuraミュージアム展🎨

見た瞬間、え、写真!?って思うけど、写真じゃないのもわかるから、思わず目を奪われてしまった。

写実絵画って私にはそんな絵画でした。

 

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🎨行った美術館🎨
Bunkamuraミュージアム展
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/20_choshajitsu/

🎨展示内容🎨
日本写実絵画の“今”を体感する
ホキ美術館所蔵の主要作家の作品展、東京で初の開催。
いま、ブームとも言える盛り上がりを見せている写実絵画。
さまざまな技術で描かれた精緻な作品。1年に数点しか描くことができないほど、画家が時間をかけて向き合った作品の数々を一堂に集めます。

個性豊かな凄腕の作家たち約30人によるバラエティに富んだ作品を見比べることで、その魅力に迫ります。
会場で作品脇に付けられる解説や、特に作家自身のコメントに接することで、細密に描かれた作品の迫力と相まって、作家が作り出した独特の世界に入り込むことができます。

🎨感想🎨
何故かじっくり見てしまう。

『写実絵画』はそういう絵画でした。

写真のようなのに写真ほど色をくっきり切らない、
生物のようなのに生物ほど生々しくない。

写真でも、生きた実物でもない、まさしく"襲来"でした。

写真が活躍してきた今だからこそ、写真のようなのに写真じゃないものが目の前にあると
『では写真とは何か』
『人とは何か』
と強烈な個性の対比から思わず考えさせられてしまう美術でした。

なぜこんな絵画が創造しうるのか細かい色彩を見ながら、その曖昧な境界線が存在できる理由を3つ考えてみた。

まず感じるのは構図の良さだ。
カメラの構図選びに近いように私は感じたが、そのままを描くことで画家の心情が伝わるその瞬間のモチーフの選び方が巧みだ。
『デルフト東門』

ホキ美術館 - 「理想の風景画」展から③ 藤原秀一《デルフト東門》... | Facebook

 という作品は、あえて建物が映っている湖がいびつに揺れているモチーフを選ぶ。
そこにあるかのように揺れた水が人の手で描かれているのを見ると、『え、どういうこと?』と思わず見てしまう。

あるヌードの作品『横になるポーズ』は褐色色統一でなめらかな女性の背中が描かれている。ただ見てもなめらかな部分には一色の肌色しか感じず、少し陰影をつけるための少量のくすんだ肌色しか見えてこない。それがただただ不思議で凝視してしまう。

写実美術画家によって選ばれているモチーフは、この技法だからこそ見てみたいと思わせるモチーフが巧みなのだ。


そして、次は色彩だ。
布や水やガラスの透け感、それ自体はリアルで、嘘じゃない色に感じるのに、どこか生々しくない。
まじまじ見ると、カメラでは見れない細かい配色が微細に散りばめられている。
人間を色で分解したらこうなるのかと地図を見ているような気分になる。

写真より飾ってみたいと思わせる


最後に『想い』だ。
この構図・色彩が創造される作品のとらえ方、原点の部分が興味深い。

写実絵画の画家は言う。

『そのものが存在していることを描くことで確かめている』

作品は1年に数枚しか描けないだけでなく、作品によっては10年で完成に至った作品もある。

レンガの絵がまるで塗装をしたように見える『サン・ジョルジョ・マッジョーレ島』は作者がレンガの原料を見ながら再度創造しながら描いたという。
1枚1枚のレンガを見ながら、まるで建築しながら描いたような絵だと感じた。

シャッターを切ることで終わるカメラとは違うからこそ突き詰められる。
これは何色か、
この存在はどう私に迫っているか、
存在と自分を長い時間かけて見つめ続けることで、その存在の持つ”主張”を画家たちは見出す。
その生命の声、色を画家たちは自分たちの審美眼を通して、単なる図像じゃなく美意識がにじみ出る作品に転じていく。

だから本当にまじまじ見ると、「本当のモデルはここはもっとくすんだ肌色だったかもしれない」と思い始め、「でもこのモデルの想い、存在感を出すためにはこの少しつやを感じる肌色を少し混ぜ込んだのかもしれない」という考えに至り始める。

ただの写実ではない、存在が濃く見える。
数年もかけて描いた作品はすでに崇高なものになるのだ。

構図、色彩、構図、この三点が絡み合いながら、唯一無二の創造を私たちに叩きつけるから、写実絵画は面白いと思った。



🎨他の面白かった作品。🎨
・美とは何か解き明かす『信じてる』三重野慶の作品や
・レイアウトが好きだった瀬戸内の作品
・存在がいかに大きいか視覚的に存在を置ききった『存在の在り処』石黒賢一郎

ちなみにバルセロナにヨーロッパ唯一の写実絵画の美術館があるそうだが、そこは日本とは趣向が違い美化しないで存在を描くらしい。『荒れた肌』や『男性ヌード』や『老い』ほかにもキリスト要素をテーマにするそうだ。

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