『トランスレーションズ展 −『わかりあえなさ』をわかりあおう』にいってきました!
入口のきれい!夜に見たい!
分かり合えない部分を言葉であったり、言葉以外のツールで分かり合っていこうとする行為、それを”翻訳”と定義し、
いろいろな”翻訳”を私たちに見せてくれる展示でした。
↑この難しい文章を実際に読み上げている動画が入口にある。
シンプルな柱が立っているだけなんだけど、区切りに使ったり、出航の港に見せたりしている展示のデザイン。
⛄見どころ⛄
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1、私たちの『言葉の翻訳』は機械で視覚化すると、このように行われている。
各国の言語には関連性があり一つの言語を翻訳できるようになると、芋づる式に翻訳できるようになるんだって。それを体験できるというものでした。
本当の意味ではわからなかったけど、映像が素敵でね、この空間にいるだけでも楽しかったよ!
2、私たちが持っている”翻訳”手段とは何か。
この展示はいろいろな機械、ツールを使って、様々な翻訳が私たちの身の回りにあることを教えられます。
さて、皆様はこの『翻訳』をどう感じますか?
(1)『音』を『振動』で翻訳。
人参を包丁で切る音を白い機械に振動を伝えて振動で表現している。
これは聾学校でも実際に使われているツールなんだって。
(2)『言葉』を『絵』で翻訳。
各国の言葉には言葉では訳しきれない言葉があるそうです。このアーティストの方はその言葉にできない訳を絵で表現するという本を出しているそうです。
(3)『東京』を『縄文土器』で翻訳。
縄文土器にするとこんな感じなんだって。
いや、無理あるしょ。
(4)”モヤモヤしていること”を”図”で翻訳。
マインドマップみたいだね!これはいい!
直接会っているときは、こういうことをその場で書いて共有できるから、一緒の課題に集中しやすい&しかも見える理解しやくてよかった。こういうオフラインだからこそできる効果っていいですね。
(5)”言葉”を”動き”で翻訳。
言葉を話せない人が、首を振るその動きでモールス信号を打ち、言葉に翻訳してくれる機械。
(6)”運動”を”触覚”で翻訳。
運動の観戦は本当はお客様には選手と同じような体感は伝わっていないんだって。
それを翻訳することで、より観戦が感動的に見えるように布の動きを使って、選手の体感を感じられないかという実験。
この実験を読んで、やはり『体験感覚』って一番の翻訳ツールなんだなって思った。
体験しているから感動が強くなる。経験は宝だなと改めて思いつつ、
では体験していない人にどう体験しているかのような感動を伝える翻訳を考えるかというこの試みは面白いですね。
(7)”雨”を”手の動きで翻訳。
ちょっと手話に近いものを感じますね。
ジェスチャーってこんな感じで伝わっているのかなっていうのを別角度から感じましたね。
私の手の動きに合わせて降る雨たち。
3、私たちはどこを見ている感じているのか。
これも面白い展示でした。
感知器が設置されていて、近づくと鑑賞物が去っていくんです。
調べようとすると、横に逃げていくグーグルさん。
観ようとすると上に逃げていく絵画。
中でも一番フラストレーションが高かったのは見られるのを拒否する菩薩!!
横を見たいなって思って移動すると、絶対真正面になるように移動するのね。
横見たいんだけど!横!!!!みたいな。
本当にいかに私が鑑賞をするとき”どこを見ようとしているのか”考えさせられました。
私の中にも無意識にも鑑賞ポイントというのが存在したことに気づかされ面白かった。
横だよ、横!!!!!
4、純粋に面白かったものを紹介。
こっからは面白かったものを紹介します。
(1)サメと結婚できるか。
いつか人間がサメとも夫婦関係になれるかもしれない、そのためにはサメを誘い出す臭いを作ろう!!!的な研究らしいです。
サメがおいしいと思う匂いを作ってまず誘い出してから、サメが発情する匂いを作って子作りスタンバイ☆ってことで実際匂いが置いてあったのですが。
サメ(右)、匂いくっさ!!!
あまりの臭さに恐れおののいて(ぐすん)
人間(左)は絶対かがない!と思ってたけど、やっぱりそれで後悔しそうだったから思い切って匂い嗅いだら
……!!!!
ずるいでしょ!これは!!!(解答は実際の展示でご確認ください)
(2)糠樽と友達になろう。
樽に話しかけると答えてくれるんです。
私「今元気?」
樽「ただいま〇度で糠を管理しています。〇〇もよいつけ加減で」
………………('ω')
シュール!!!( ゚Д゚)
(3)普通に欲しい縄文土器商品化シリーズ。
(4)縄文土器とロボットによるお祓い。
普通に嫌だ( ゚Д゚)
5、私の感想。
『わかりあえなさ』に対して、様々なツール(五感や道具)がクローズアップされた形のコミュニケーション(翻訳)の展示に、
私たちの翻訳は常に五感を最大フル活用されて行われているのだなと改めて思わされました。
そして、オンラインのコミュニケーションは『五感の制限があるコミュニケーション』なんだと理解しました。
一緒に地図を挟んで会話できなかったり、画面を通した画からでは実際の色彩がわからなかったり、見たい角度で見れなかったり、においがしなかったり、私たちはより限局されたコミュニケーションの中にいるんだなと思いました。(逆にそれが楽でオンラインを好む人もいるだろう)
私たちの言語の感性というのはその五感に動かされてきたコミュニケーションの中で培われて深みを増していくのかもしれない、
だからやはり趣深い言葉は時間がかかって生み出されるかもしれない、
そう考えると『対面』ってやっぱりなんて『かけがえのない体験』なんだろうって思いました。
言葉の幅は思考の幅に繋がると感じているので、対面の刺激が欲しいなとこのコロナ禍で制限された経験の先にも思いました。
なかなかパンチのきいた作品の数々、面白かったですよ!!!