岡本太郎美術館にいってきました!
コロナのこともあるので、今回は一人で美術館にいってきました!
●展示会URL●
http://www.taromuseum.jp/exhibition/event.html
●展示の流れ●
常設展:岡本太郎“聖家族” (HPより)
漫画家である父・岡本一平と、小説家であり歌人の母・岡本かの子を両親に持つ岡本太郎。一家と関わりの深かった小説家・川端康成は、この家族を“聖家族”と呼びました。
太郎自身も「父母に感謝することがあるとすれば、常に同等な友人のように扱ってくれたことだ」と語るように、この家族は夫婦、親子が一個の独立した人格として対等な関係で結ばれているような、当時においてはたぐい稀な家族形態でした。一方で全く異質な芸術家の共同生活には「想像もできない絶望的な矛盾」があったとも語られ、その中で起こるさまざまな葛藤の中で、太郎は成長していきます。
本展では、岡本太郎・一平・かの子の作品を紹介するとともに、彼らの日常生活を写す日用品や写真を展示し、芸術に生きた一家の足跡をたどります。
企画展:第23回岡本太郎現代芸術賞
時代に先駆けて、たえず新たな挑戦を続けてきた岡本太郎。
岡本太郎現代芸術賞は、岡本の精神を継承し、自由な視点と発想で、現代社会に鋭いメッセージを突きつける作家を顕彰するべく設立されました。今年で23回目をむかえる本賞では、452点の応募があり、創造性あふれる23名(組)の作家が入選をはたしました。
21世紀における芸術の新しい可能性を探る、意欲的な作品をご覧ください。
●感想●
大好きで年パス4年目の岡本太郎!
ついに!!!!!!!!そのご家族についてのベールがとかれる!!!!ということでもう居ても立っても居られない!行ってきました!
(1)面白い家族構成がいろいろな作品からひも解かれるのがおもしろかった。
川端康成の書から始まりますが、かの子も太郎(『母の手紙』)も一平もそれぞれ自分の家族について本を書いているというのがすごいですね。
しかも一平なんてかの子を「観音」としている。しかもそこで太郎は『かの子観音』を描いているんだから面白い。
かの子の生き方の純粋さは読んでいくと少し太郎を思い出します。
かの子のファッションもすぐに和装から洋服を取り入れたのがおもしろいですね(実際の展示あり)。
あるデザイナーの本に『本当の美しさとは似合っているということ』といった内容を見たことがありますが、まさに地であるべきほうを選び取ってきたかのようなかの子さんの生き方を感じます。
(2)家族から絵を捉えなおす。
そんな太郎の家族と母子関係を数ある記録と、太郎の絵から切り開いていく展示となると、
日ごろから見慣れていた絵が違うものにまで見えてきます。
『母と子』や『決別』『女』
濃い母と子の結びつきから描かれた絵という目線から見直すと楽しいですね。
『母と子』が蛇に子供が飲み込まれるような、でもしっかり対峙しているような絵に見えてきたり、
なんで『女』のここは赤を選んだのかななんて、別視点から絵を見れるのが楽しかったです。
『母の手紙』という本は読んでみたいです。
(3)そして今回の岡本太郎賞!
けっこう今年がどれも好きです!!
去年より好きかも!
どれも見た瞬間空間に飲み込まれてしまうようで面白いですね。
4月にみんなで美術鑑賞する予定なので楽しみです。
今回は太郎の家族やはじけ飛んでいる太郎賞を見ながら、自分にとっての太郎との出会いを思い出す機会になりました。
私が太郎美術館を訪れた4年前は自分のやりたいことをやりたいと言えず、
周りの反応にただただ怯えて日々を過ごしていた時でした。
そんな時、太郎の絵を初めて見て、
日本の常識を覆すような、あまりのカラフルな色彩に飲み込まれ、
『していいんだ』
と思った瞬間、涙が出そうな気持が自然と沁み込んできました。
私は青年期にいろいろあり特殊な環境で育ってきたので
一般的な常識や家庭の定義がわからず、
いつも人の平均的な行動を観察してマネしながら学んだり、
人が当たり前に持っているものを1から友人の力を借りて自分の力で手に入れ直してきました。
普通の安全な暮らしを自力で再獲得するというのはつらく
そのつらさも同じ過酷な環境で生きてきた友人でしかわからず、
どう人に伝えたらいいかわかりませんでした(むしろ何も知らない人の言葉の刃というものは強烈ですし)。
でもそんな中、岡本太郎を見て
『すべての定義をばらしていいよ』
と言われた気がしました。
言葉にならない思いを、社会にそぐなわないからと諦め捨てるのではなく
『表現に還元しなさい』と喰らい、
そして、してみたいと思わせる力が太郎の絵にはありました。
太郎は変わっている。
でもそれをしっかり社会的な還元にも果たし、
もしこんな風に自分の心を切り開いて見せることができるなら
なんて幸せな人生だとうと思える希望…目標のようでした。
それから私は少しずつではありますが、言葉の刃に立ち向かえるようになりました。
知らない人間の勝手な決めつけに対して喰らい、傷口が痛んでも堪えて、『違う』と声を絞り出し、丁寧に説明できるように少しずつなりました。
美術の力を成功の力に変えるのは美談ではできません。
成功に変えるのはいつも自分の一歩です。
耐えがたい苦痛の中、変えていかざるを得ないものもあります。
太郎がくれるのは
自分の先を見るきっかけです。
そしてそこで選ぶと太郎の苦痛と喜びの足跡を辿るような人生が待っていて
それでも抗えない魅力で
またこの美術館に足を踏み入れてしまうのです。
●Let’s enjoy together!●
社会人芸術鑑賞サークル(Club of ART)